「なぜか、この場所が好き」
という場所がありますね。
意識や思考では捉えることができないけれど、
間違いなく、いい!
それを感じられる自分でいたいなと思います。
つい、頭でっかちになりがちなので・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、今日はNくんのお話です。
普通、ひらがなの習得というと、
読める→書けるの順といわれておりますね。
出会った当時、
Nくんは、まったく一文字も読めませんでした。
文字に音がついているなんて、
なんのことやら・・・
ただ、文字を真似して書くことは大好きで、
ひらがな50音、
立派な筆圧で、
それはそれは見やすい形で、
書くことができました。
書けても読めないなんて、
意味がない。
ただ文字を写しているだけなんて、
なんのためになるのか。
私も当初、
そう思っていました。
でも、そんな大人の考えには関係なく、
Nくんの模写の技術は日々向上していきました。
・・・そして、
ある日、
つ、つ、ついに、
文字と音が一致‼
ひらがなの形に
決まった音がついていることに
とうとう気付いてしまったんです‼
そうしたら、
何がおこったと思いますか?
そうです。
まるで、オセロの全面白が一気に全面黒にひっくり返されるように、
形だけだった文字全てに、
音がつながりました。
Nくんにとっての大発見です。
みるみるひらがなが読めるようになり、
2文字単語が読めるようになり、
意味とつながるようになり、
簡単な文の勉強ができるようになり・・・
どんどん習得していきました!
私が、Nくんから教えてもらったこと。
一般に言われている学びの順番は参考程度にして、子ども一人ひとりの学びの可能性を信じること。
その子の得意、その子が夢中になっていることを大切にすること。
その子の学びのペースを大切にすること。
基本は抑え、無理なくあきらめずに伝え続けること。
(Nくんには、文字には音がついてるよという基本は、生活のいろいろな場面でさりげなく伝え続けました。)
Nくんと出会ったのは小学3年生。
その頃の会話はこんな感じでした。
私「学童のおやつなんだった?」
N「よこむきです。」
私「???(なんのこっちゃ)」
ひらがなが読めるようになったのは4~5年生。
その後、中学1年生の彼との会話はこんな感じ。
「移動教室、どこに行ったの?」
「・・・山梨県です」
この頃、私は担任を外れていましたが、
大感動の会話でした‼
ちゃんと会話になっている!
Nくんは、とにかく行動し続けるお子さんでした。
間違えようが、理解できなかろうが、失敗しようが・・・。
そのうちに、
不可能だと思われていたことが、
一つ一つ可能になっていきました。
こどもが、今、進もうとしていること、学ぼうとしていること、
それは、今は無駄なことのように思われることもあるかもしれませんが、
必ず何かにつながるはずです。
そんな今を、
大人も一緒に楽しみましょう♫